祝日 と 祭日 の違い

建国記念の日、海の日、文化の日のように、「土日以外の公的な休み」を「祝祭日」という場合がある。
これは、祝日と祭日を合わせた言葉だ。

祝日と祭日は似たようなイメージであるが、今の日本には法定の祭日はない。すべて祝日なのだ。

戦前には、祝日と祭日がそれぞれ別にあった。
しかし、1948年制定の祝日法(国民の祝日に関する法律)によって、祝日と祭日は「国民の祝日」に統合されたのである。
祭日とは戦前の名残なのである。

また、一言で「祝日」というが、本当は「国民の祝日」という。
成人の日や体育の日を月曜日に移動する「ハッピーマンデー」も祝日法を根拠としている。

国民の祝日が日曜日に重なった場合は、振り替え休日が発生する。(祝日法の規定)
しかし、祝日が土曜日に重なった場合は、振り替え休日が発生しない。
土日休みのサラリーマンにとっては、何かやりきれない気持ちが残る。

11月3日は元々、明治天皇の誕生日(天長節・明治節)であったが、1948年から文化の日になった。
これは単に改称したのではなく、現行憲法下で新たに制定された祝日である。
したがって、文化の日は、天長節・明治節との関連はないことになっている。

私が中学の頃、明治生まれの祖母から「今日は天長節で学校休みなのか?」と聞かれ、それが何だか分からなかったことを思い出す。

戦前の祝日と祭日の区別はちょっと難しい。
年明け(1月1日)や、天皇の誕生日など、おめでたい日が祝日であり、その他の皇室行事に関連した祭り事(新嘗祭・春季皇霊祭)が祭日であった。

強引な解釈だが、「おめでとうございます」という言葉を使うかどうかで、祝日と祭日を切り分ければいいと思う。

天長節は、おめでたい日なので、祝日だったことになる。

私の祖母は新憲法の時代よりも、明治憲法の時代に長く生きた。
「文化の日」を「天長節」だと思っていたのも無理はない。
もし、今も存命だったとしたら、ハッピーマンデーをどのように理解するのだろう。

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