電圧 と 電流 の違い

電圧と電流は、ポンプの能力と水流の関係に置き換えることができる。

ポンプで水をくみ上げ、ホースから噴射する。
ポンプがくみ上げる能力が高いほど、ホースから噴射される水量も多い。

つまり、ポンプの能力と水流は比例するのだ。

「電気の流れ」が電流であり、「電流を流す能力」が電圧である。
乾電池は電気を流すポンプに例えることができる。

乾電池を見ると「1.5V」と書かれている。
「1.5V」はポンプとしての能力を示す単位であり、「1.5ボルト」と読む。
電気をくみ上げる能力が1.5ボルトなのだ。

006P型と呼ばれる乾電池は「9V」と書かれている。
一般の乾電池の「くみ上げる能力」が1.5Vであるのに対し、006P型は9Vなので、「くみ上げる能力」が6倍であることが分かる。

「電気をくみ上げる能力」を電圧という。
電圧の単位が「V(ボルト)」なのだ。

乾電池に豆電球をつなげると、豆電球が点灯する。
これは、くみ上げられた電気が、導線を通じて豆電球に流れるからだ。
導線中を流れる電気の量(水量に相当)を電流という。

電流の単位は「A(アンペア)」である。

乾電池には電圧(ボルト)が表示されているが、電流(アンペア)が書かれていない。
豆電球をつなげたときと、モーターをつなげたときでは、流れる電流が違う。
ユーザーが乾電池に何をつなげるか分からないので、乾電池に電流(アンペア)は書けないのだ。

一方で、「電気をくみ上げる能力(電圧)」は、何をつなげようと変わらない。
だから乾電池には電圧が書かれているのである。
乾電池を買うということは、「電流」を買うのではなく、「電気をくみ上げる能力」を買っているのである。

乾電池は単1形〜単5形までがあるが、すべて1.5Vである。
乾電池はサイズが違っても、ポンプとしての能力はすべて同じことになる。

サイズの違いは、寿命の違いなのだ。
サイズの大きい単1形が最も超寿命である。

電流・電圧の話は乾電池だけでなく、各家庭のコンセントにも当てはめることができる。

家庭用の電源(コンセント)は100Vである。
電力会社は、各家庭に「電気をくみ上げる能力が100Vのポンプ」を設置していることになる。

100V分のポンプから、どのくらいの電流を流すかは、各家庭に任されている。
コンセントに何もつなげなければ、電流は流れない。
蛍光灯を1本のみ点灯した場合は、0.3A(アンペア)程度の電流しか流れない。

ところが、エアコン・ファンヒーター・テレビ・電子レンジ・掃除機をフル稼働した場合は、10A以上の電流が流れる。
電気製品を稼動した分だけ、電流が流れるのだ。

電流を無尽蔵に好きなだけ流すのは危険である。
そこで、各家庭は「流しても良い電流の上限」を電力会社との契約で決めている。
電力会社からの請求書を見ると、「契約アンペア数」と書かれている。
これが、「流しても良い電流の上限」だ。

たくさんの電気製品を使っていると、突然、停電することがある。
これは、今流れている電流が「契約アンペア数」を超えてしまったからだ。


スポンサードリンク

このページのTOPへ