バッタとイナゴの違い

イナゴはバッタの一種である。

意外なことだが、この世にバッタという種類の昆虫はいない。
イナゴという昆虫もいない。

ショウリョウバッタ、トノサマバッタ等のグループをバッタ科という。
同様に、コバネイナゴ、ツチイナゴ等の グループがイナゴ科という。
バッタもイナゴも、これらの種の総称なのだ。
バッタとイナゴの関係図

そして、イナゴ科とバッタ科がさらに大きなグループであるバッタ目を構成している。
ここから、イナゴはバッタのグループの一部であることが分かる。

夏目漱石の「坊ちゃん」の中に、宿直中の坊ちゃんが蚊帳の中にバッタを入れられたことを怒ると、生徒が「イナゴぞなもし」と反論する場面がある。

このエピソードの面白さは、「バッタとイナゴは違うようだが、区別が良く分からない」ということを背景にしている。
バッタとイナゴは似ているが、イナゴよりもバッタの方が、翅(ハネ)が発達しており、飛行距離も長いのが特徴だ。

イナゴは「稲子」と書くように、稲を食べる害虫である。
一方でバッタは田に限らず、広く分布する。

イナゴの佃煮というのは聞くが、バッタの佃煮は聞かない。
農家が田に棲むイナゴを、害虫駆除のために捕まえて佃煮にしたのがルーツなのかもしれない。


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