懲役刑 と 禁錮刑 の違い

「懲役○年」と「禁固○年」という表現がある。
「禁固」と書く場合が多いようだが、本当は禁錮なので以下「禁錮」と書く。

例えば、「苦役」や「役務」などの言葉から分かるように「役」には仕事・作業という意味がある。
このことから、「懲役」は「懲らしめる(こらしめる)ための仕事」という意味であることが分かる。

懲役も禁固も刑務所に収容されることに違いはない。
その差は「刑務作業」があるのが「懲役」、ないのが「禁錮」となる。
懲役 と 禁錮 の違いは、「刑務作業」の有無にあるのだ。

昔は政治犯など、思想信条に基づいての犯罪者に禁錮を課し、それ以外に懲役を課したという経緯がある。
この区分は現在ではあいまいになっている。

作業を伴わない禁錮の方が楽そうだが、実際にはつらいようだ。
禁錮刑は昼間、寝ることも許されないため、正座をしている他はない。
これは精神的の相当応えるので、「刑務作業をさせてください」と願い出る受刑者が圧倒的に多いという。

世の中には、反抗的な社員に「仕事から干す」というペナルティを課す企業があるらしい。
このような社員はつらくなり、「仕事をください」と上司に願い出るという。
これと同じような心理なのだろう。

実際には「最初は禁錮だったのに、いつの間にか懲役になっている」ケースがほとんどを占めることになる。
禁錮と懲役の区別はますます なくなってきているようだ。

一生刑務所内に服役することを、「無期懲役」だと思っている人がいる。
これは誤解だ。
「服役するときに刑期が決まっていない」というだけで、30年くらいで仮出所する。

しかし、刑期が決まっていれば「後○年」というように見通しを持てるが、無期懲役は先が見えないだけにつらそうだ。

「三年で戻れる」と分かって転勤するのは何とか納得できるが、「何年で戻れるかまったく分からない」という状況の転勤や出向は、相当つらい。

一生刑務所内にいる刑を終身刑という。
今の日本には、終身刑がない。
そのため無期懲役が死刑についで重い刑とされる。

一方で無期禁錮という刑罰は聞かない。
調べてみると、内乱罪、爆発物使用罪、爆発物使用未遂罪のみに適用されるらしい。
非常にマイナーだと言える。

刑罰は、いくつかのタイプに分類される。

などだ。

懲役も禁錮も罰として自由を奪われるので、「自由刑」と呼ばれている。

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